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Pentecost.
2024/04/25[Thu]
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2013/03/01[Fri]
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 そろそろ更新ひと月放置になると焦ったり、こっそり別館は半年放置になろうとしていて、やはり焦ったりしている日々です。
 とりあえずチラッとして……おきます……!

 ここしばらく生活環境があれだったもんで、いろいろ手をつけられず、考えることくらいしかできなくて、順番みたいなものが押して押してぐるぐると……。もう落ち着けるはずなんですが、その感覚が抜けず、妙にからっぽに過ごしている状態です。
 毎日の140SSは続けていましたが、そちらも一週間ほど前から停止気味ですね。しかし、140SSを続けて丁度、三ヶ月になるので、毎日やる! の体勢からは、ぼちぼち間を開けようと思っています。まとめ収納もした方がいいでしょうし、本編に本腰を入れねば。

 キャラ紹介ページも作りたいし、絵の整理整頓もやりたいんですよねー。
 順番を作ってきちんとこなしていく能力が……ない……。(´・ω・`)ホシイ。


 まあ、それは置いといて、


 『二束散文』(SSS投下場)では、本編世界観“以外”の140SSを書くことを避けていたのですが、割りと数があるなぁ、勿体無いなぁと思いましたので、追記にて、現パロなSSをぽいぽいさせていただきました。
 他にも┌(┌^o^)┐みたいなSSが結構あるんですけど、今回は現パロのみ!

拍手

※たまにCP(腐向け含む)っぽいものもありますが、一応、書き手に“そのつもり”はないものです。
※明らかに140字で収まっていないものは、140の倍数で構成されていますが、必ず140字で段落を切り替えるようにしています。

※オンマウスで読み仮名が出る語があったりなかったり。


 以下のフォントサイズをサイトに合わせます。



『じゃのめ』 サリフと青龍

 まったく同じ形をしていながら、まったく似ていない顔が二つ向き合っている。瞳の色だけでも正反対なのだが、浮かべる表情も真逆に近かった。
「何しに来たんだ、青龍」
 眉をひそめ、青い目をした方が言う。
 緩い三日月の唇で、金の目をした方が言う。
「迎えだ」
 丁度、雨が降り始めた。



『風花』 サリフとネルグイ

 銀と言うより白をした髪に手を伸ばした。撫でるように払えば、ぱささと落ちる雪を見て、「やっぱり」とサリフが言う。
「どちらも綺麗に白だから、気付かなかった」
 のんびり言いながら、サリフは、ネルグイのマフラーについた雪も払ってやる。
 ややして、「勝手に触るな!」と怒声が響いた。



』 サリフと青龍

 フローリングほど冷たい二本の腕は、サリフの背中から首を伝い、胸の前で結ばれていた。
 ひんやりとした感触に、サリフは、いつも嫌な心地にさせられる。爬虫類に懐かれているようだ、と。
 サリフは、洗濯物を畳む手をとめた。
「邪魔」
 重い肩に苛々と言うも、聞いている様子はなかった。



『バレンタイン前日』 春香と仁

 とろけたチョコレートの甘ったるい匂いが、キッチンから外まで漏れている。
 かしゅかしゅと必死で卵白をホイップする春香の後ろで、冊子片手に仁が言う。
「泡立っていませんよ」
 仁の指摘に、春香は「わ、わかっています、けれど」と眉尻を下げる。春香の細腕では、メレンゲは難しいらしい。



『甘味と香辛料』 仁と宵藍

 皿に盛られた小さじ一杯のパウダーシナモンに、フードプロセッサーで粗砕きしたクローブを合わせる。更に、ブラックペッパーを“多め”に削っておく。
 スイートよりもビターチョコレートを多くしたのは好みの問題で、湯煎され、泥のようにとろけたチョコレートからは、たいして甘い匂いはしない。
好好
 ボウルの縁でゴムベラを叩き、なめらかなチョコレートに先のスパイスを投入。湯と空気が入らないよう気をつけながら、くるくると混ぜていく。
結束
 と、混ざり切れば、あとは、広げていたシートに適量適当を落としていくだけである。大量に作られる丸く薄い形は、金貨に似ていた。



「“催淫効果”があるって言うんだよ」
 複数の香辛料の容器をお手玉に、仁はくつくつと笑った。
朱古力然り、肉桂丁香黒胡椒……どこまでホントかは、知らねぇけど」
 その唇に連ねられたすべての素材は、皿の上で、咀嚼される時を待っている。
 「食べにくい」と、宵藍は眉をひそめた。



『AM07:12』 宵藍と仁

 居間に入ると、台所で手際よく調理をする姿があった。
 包丁の音、コンロの点火、フライパン。何かが熱されて、蒸気が昇る。昔から食材も調味料も勝手をやられているので、何を作っているかは知らないが、まずいものは出ないだろうから、新聞を取って卓につく。
「仁、珈琲」
「サイフォン見ろ」



『AM11:58』 刃

 時計の短針が十二に差し掛かる頃、刃は、冷蔵庫を開いた。
 ――卵がある。
 昨夜の冷や飯がタッパーに残っている。ベーコンがある。人参とピーマンが半量ほど残っている。味覇はあったかと思えば、ある。
「……炒飯にでもすっか」
 刃は一度、冷蔵庫を閉じて、フライパンを出しに向かった。



『PM07:35』 サリフ

 薄切りの牛肉にはあらかじめ塩を振り、熱したフライパンに、たっぷりとオリーブオイルを引く。先に焼くのは肉ではなく野菜だ。ポテトと人参のスライスを強火にかける。からっとさせたところで取り出し、千切りの玉ねぎを飴色もどきに。一方で、大さじ一杯のブルーベリージャムと適量の醤油を混ぜる。
 玉ねぎをフライパンからのけ、ようやく肉にとりかかる。赤ワインで臭みを飛ばしつつ、レアの加減でサッと焼く。あとは、大きめの丸皿に移動させ、フライした野菜を添えるとともに、ブルーベリーソースをとろりとかければ終了――
「あ、」
 スープを忘れた。
 サリフは、配膳の途中で固まった。
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